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戦国BASARA2の前田慶次受け語りログ。
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っつーか、愛だよね愛!!!!
もう何であんなに可愛いんだあの子達・・・っ!
最近本気で火薬と保健と級長が可愛くて仕方ないんですが。
え、これってどうしたらいい?もう本当にどうしたらいい?


そんなわけで続きに級長というか庄ちゃんと彦ちゃんというか、うん気持ちは庄彦小説です。
6月に書いて晒すのをうっかり忘れていたブツ。
と言うか庄彦とかまたマイナーだな自分。
うん、


大好きなんです。


庄彦が。
因みに左吉と伝七が喧嘩した段と微妙にリンクしてます。
安藤先生が見ようによっては最低です(先生として)
でもあの段を見た後の私の感想でもあるしな!


そんなわけで、彦ちゃんが大好きなんです(どんな纏め方だよそれ)



あと、庄ちゃんがちょっだけ黒いです。

「伝七と佐吉はい組の誇りだ!!!」
既に耳慣れた言葉を、今日はやけにたくさん聞いたような気がする。
伝七と佐吉は確かに優秀だ。
1年生にしてはそれ以上の知識を持っているし、忍術だって1年の中じゃずば抜けてトップクラスだし。
恐らく2年生や3年生の中に入ってもその力は発揮されること間違いないと思う。
安藤先生がそう言って褒めるのも、納得がいく。


だとしたら、自分は?


確かにい組みにのくせに、くのいちに捕まったり縄抜けができなかったりとたくさんの失敗を繰り返してきた。
終いには学級委員長にもかかわらず、社会見学では伝七が指揮を、佐吉がそのサポートをしていて、学級委員長なんて名ばかりの存在のような気がする。


「いや~、君たちは我がクラスの誇りだ!!!」


思わず隠れてしまった木陰の後ろで、安藤先生の本当に嬉しそうな声が耳に届いた。
それに嬉しそうに「やめてくださいよ~」なんて言っている二人がいて。


ぱたぱたと、両の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。


瞬きもせずにそれが地面に吸い込まれていく様子を見送って、彦四郎はそのまま地面にしゃがみ込んでしまった。
「ふ…ぅぇ…」
止まらない涙を拭いながら、彦四郎は静かに嗚咽を上げて、泣き続けた。



「彦四郎、目が赤い」
本日の委員会活動は、来月行われる組別学年合同水泳大会についてどのコースで行こうか、と言う話し合い(と言う名のお茶会)で、いつものようにやる気のない三郎の言葉を聞きながら、庄左衛門はふと気付いてしまった。
「どうしたの?」
言葉と同時に慌てて横を向かれ、努めて優しく声を掛けると「なんでもない!」と声を荒げて返されてしまった。
「それに、ほっぺた赤いよ。何かあった?」
「なんでもないったら!」
「でも、ほら」
そういってほっぺたに手の甲を当てると、彦四郎の身体が過剰なほどにびくりと反応した。
「ほっぺた熱い」
「もう、何でもないったら!!!」
そういってその手を弾き返すと予想外に力が篭ったのか、激しい音が部屋の中に反響する。
慌てて振り向けば、赤く腫れた手を押さえた庄左衛門が呆然とこちらを向いていた。
「~~~~っ!!!」
くしゃりと顔を歪ませた直後、彦四郎は突然立ち上がると、そのまま部屋を飛び出していった。
「彦四郎!!!」
慌てて後を追おうと腰を上げ、思い出したように三郎の方を振り返った。
「鉢屋先輩、絶対後を追ってこないで下さい」
「何故私に言う?」
「面白がるからです。彦四郎をネタに遊ばないで下さい」
「庄ちゃんは酷いなあ、私をそういう風に思ってるのかい?」
「思ってるから言ってるんです。彦四郎だって、放っておいて欲しいときくらいあるんです」
「……それでも庄ちゃんは行くんだろう?私は駄目で、自分はいいのかい?」
「彦四郎は、ぼくの大事な友達です。放っておけません」
それに、気になることを耳にしましたから、と更に気になる言葉を残し庄左衛門はそのまま廊下に飛び出した。
残された三郎は彦四郎が飛び出したときに倒れた茶菓子を拾い上げながら、「さてどうしたもんかね」とくつくつと口の端を歪ませていた。


「彦四郎」
まだまだ1年生の忍たまに気配を追うなどと言う高等な技術は持っていない。
そんな自分が出来ることといえば、ただひたすらに彦四郎が行きそうな場所を探すしかなくて。
「彦四郎!」
曰く付の血天井の倉庫の裏に、彦四郎は小さくなるように膝を抱えて丸くなっていた。
「彦四郎、探したよ」
「……なんで」
「何でって、だっていきなり飛び出すから」
帰ろう、と手を差し出せば、地面に向けていた目がちろりとそれを見て、再び地面に落とされた。
「……ごめん」
「え、何が?あぁ、さっき飛び出したこと?それはぼくじゃなくて鉢屋先輩に」
「…そっちじゃなくて、手…。庄左衛門、折角ぼくの心配してくれたのに…ごめん…」
言われて、まだ赤みを持つ手に気がついて、あぁと頷いた。
「大したことじゃないよ。それにあの時はいきなり触ったぼくも悪いんだし」
「でも、」
言い掛けて、見ていた地面にふっと影が出来、思わず顔を上げると上から庄左衛門が笑顔で見下ろしていた。
そのまま腰を落し、彦四郎と同じ目線に屈むと、首を傾げて「ねえ」と問いかける。
「何か、あった?」
「何かって」
「委員会始まってから今日はずっと変だったよね。いつもだったら鉢屋先輩に一番に突っ込みいれてたのに、今日はずっと静かだったし」
「そんなこと」
「そういえば、土井先生がまた安藤先生に自慢されてたんだって。伝七と左吉は優秀な忍者になるとかなんとか」
直後、彦四郎の顔がばっと庄左衛門に向けられた。
そして再びくしゃりと顔を歪めて、抱えた膝の中に顔を埋めてしまう。
「……どうしたの?」
「しょう、ざえもんは、土井先生によく誉められてるよね?」
「え?うん、まあ…」
「じゃあ、ほかのは組のみんなは、アホだから誉められたりしな」
言いかけた言葉が、突然捕まれた腕の感触で思わず飲み込んでしまった。
そっと顔を上げると、先程の優しい笑顔とは打って変わった、怒気を孕んだ顔がそこにあって。
「いくら彦四郎でも、そんなこと言ったら許さないよ。確かにうちは成績は悪いけど、実戦経験豊富だって土井先生はみんなを自慢…して…」
はらはらと、落ちる涙に庄左衛門の怒りが散って行く。
「ひこ、しろう?」
名を呟けば、その顔がまた膝の中に埋もれてしまい、肩がひくりひくりと小さく震える。
「ど、どうしたの?ごめん、ぼく言い過ぎた!?」
「ぼく、ぼく…そんなこと、言われたことないんだ…」
「そんなことって?」
「あんどう、先生に…じまんって、言われたこと…」
「でも、い組は優秀だっていつも自慢して」
「でもさいごには絶対に、でんしちとさき、ちが、前にたってて」
その言葉に、先程部屋で伊助に聞いた話を、思い出す。
期待されすぎて、自慢されすぎて、それがストレスになっているのだと。
そういえば話の中で、伝七と左吉以外の名前を聞いていないような気がする。
ストレスを感じるほど、あの二人は誉めているのに、それ以外は名前すら出てこない。
あの先生にとって、目の前にいるこの大切な友人はそれ程度のものなのかと。
「彦四郎、彦四郎、大丈夫だよ、そんなことないよ。彦四郎だって頑張ってるじゃないか」
「で、も、やっぱりあの二人には追い付かないー…っ」
「追い付かなくても、彦四郎はちゃんといつも委員会の仕事でぼくをたくさん助けてくれてるよ。彦四郎がいてくれて、ぼくは本当に良かったって思う」
言いながら丸くなった身体をぎゅっと抱き締めてやれば、微かに身体を揺らして反応して、顔が小さく持ち上がった。
「……ほんとう?」
「本当だとも!彦四郎は、ぼくの自慢の友達だもん!」
その言葉に目を見開き、抱えた腕がそろそろと庄左衛門の背中に回ってくる。
「しょ、ざえもー…っ」
「うん」
「ありが、と…っ!」
「うん、ぼくこそ、いつもありがとう」
小さく震える背中をあやす様に擦りながら、庄左衛門はゆるりと再び怒気を胸に膨らませていた。



さて、ぼくの大切な友達を泣かせてくれた礼を、どう返してやろうかな。
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