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戦国BASARA2の前田慶次受け語りログ。
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作を 盛 大 に泣かせたかっただけのお話です。


いつもなら書いた物を手直ししてアップするんですが、最近その暇が無くて・・・酷い文章が更に酷い物になってます本当に御免なさい(汗)
そしてかなり中途半端です御免なさい。
あー、にしても3年生は何でこんなに可愛いんだろう!!!犯罪の粋だコレは既に!!!
可愛いなあもう可愛い!!!!!

あ、3年生プチオンのサークルカット、大体出来上がりましたので週末にはあっちの方にアップ出来ると思います!お待たせしてしまって御免なさいー!!!!
あと企画もいくつか考えていますので、宜しければ是非お立ち寄り下さい・・・っ!

続きで次富?

気が付けば、委員会が終わったと同時に逃げるように裏裏山まで走ってきてしまっていた。
挨拶もそこそこに駆け出してしまったから不審に思われたかもしれない。
もしかするとあの聡い委員長のこと、自分が何故逃げ出してしまったのか気付かれてしまったかもしれない。
そんなことになっては大変だ、だって悪いのはどう考えても自分で、要領を得ない自分が悪くて、手間取らせてしまった原因は全て自分で。
弁解をしなくては、先輩は全然悪くないんですと言いに行かなければと思うのだが、とぼとぼと歩く足取りは学園とは反対方向の森の、奥へ奥へと進んでしまう。

それは本当になんでもないことで。
いつものように用具を直していたら自分に不備がありそこを指摘されてしまい、難しいだろうから渡せと言う委員長の言葉に反論して自分でして、結局失敗した挙句。


勢い余った道具が跳ね返り、委員長の腕に怪我を負わせてしまっていた。


「っ!!」
ポロリと一粒、大きな雫が頬を伝う。
声を押し殺し、唇を噛んで我慢するが、脳裏に浮かんだ光景を止めることができず、作兵衛は嗚咽を一つ、二つ漏らしてしまった。
一瞬叱られると歯を食いしばったが、頭に乗ってきたのはふわりと暖かい大きな手で。
「お前に怪我はないな?」と確認のように優しい言葉まで掛けてくれた。


いっそ、頭から叱り飛ばしてくれたほうがどれだけ良かったか。


「ふ…っぅえ…っ!」
たまたま通りかかった保健委員長がその腕を見咎め、すぐに保健室に行くように叫ぶのも何故か頑なに拒否をして作業を続けていた。
言葉では「時間がないから」と言っていたが、あれは恐らく、自分に気を遣わせまいと思ってのことだろうと、足りないこんな頭でも分かる。
「うぇぇ…っ」
それを何となしに汲み取ったのだろう、渋々といった感じで保健委員長も苦笑しながら去っていきはしたが、最初のあの剣幕からして、確実に怪我は軽いものではないはず。
「うえぇ…ごめ…なさ…」
本当は言いたかった。あの場所で、すぐにでも泣き出して謝罪の言葉を叫びたかった。
しかし、あそこには自分たちの他に2つも年下の後輩が3人も見守っていて。
そんな中で、素直な言葉なんて出るはずもなく。
そんな自分に出来ることといえば泣き出したいのを我慢しながら、黙って手を動かすことだけだった。
「ふ…うえぇぇえ…」
ボロボロと流れる涙が枯れることを知らず後から溢れ落ちる。
頭巾は暑いからと作業の途中で脱ぎ捨ててしまい、今涙を拭うことが出来るのは自分の小さな手しかなくて。
目を擦って涙を拭うが、やっぱりそれでも涙は枯れてくれない。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
何度目か分からない、相手に伝わることのない謝罪を口にしながら道とはいい難い道を歩いていると、突然横からがさり、と草が動いた。
「っ!!」
こんな山の奥深く、小さな獣もたくさんいるが、それに比例して大きな獣も累々と存在している。
中には獰猛な獣も当然いるわけで。
自分より背丈の高い草が上のほうからゆさりと動いていると言うことは、足元程度の小さな獣であるはずがない。
そろり、と懐に手を忍ばせ、しまったと気付く。
こんな時に限って、クナイも手裏剣も用具と共に、直し込んでしまっていた。
一歩、二歩、ぎり、と草むらから間合いを空けて後退する。
いきなり逃げてしまっては、折角見つけた獲物を逃すまいと、相手も全力で追い掛けてしまう。
隙を見て、相手の視覚を付いて逃げ出すしかない、と、取り合えずゆっくりと足元に転がっていた小さな石ころを一つ、拾い上げた。
がさり、と一際大きな揺れを最後に、勢いよく相手が飛び出してきた。
「っ!!」
思わず目を瞑って石ころを向かって投げると、「イタ!!!」と人間のような悲鳴が聞こえた。
人間のような、聞き覚えのある声が。
「……?」
そろりと目を開けると、そこには何故か蹲って頭を押さえる人影が。
「……さんの、すけ?」
「ひでぇ~。作が見えたからまた迷子になってんのかなって出てきたのに、いきなり石投げて来るんだもん…って、あれ、作?」
きょとんとした顔を向けられ一瞬何を呆けてるんだと思ったが、先程までの自分の状況を思い出し、慌てて目の淵に溜まっていた涙を手で拭った。
しかし一度思い出してしまったら最後、再びボロボロと涙が溢れてきてしまった。
「作…?」
こうなっては仕方ないと、不思議そうに見る三之助の腕を掴み、無言で引き摺って、来た道を戻る。
取り合えず、こいつを学園まで送り届けるのが先決だ、と自分に優先順位を言い聞かせ、迷うことなく道を進んでいった。
「ちょ、作、痛い!そんなに引っ張ったら痛いって!作!」
いつもなら五月蝿いだとか黙れだとか、誰のせいだと思ってるんだと文句をぶつけながら歩くが、今はただ、黙って歩くことしか出来なくて。
一言でも何か口に出してしまえば、折角我慢しているものが、全部溢れてしまいそうで。
ぎゅうっと三之助を握る腕に力を加えれば、何かを感じ取ったのか、後ろからは抗議の言葉がぴたりと止んだ。
心の中でごめん、と謝って、一歩踏み出した途端、足元が何かに引っ掛かり、勢いよく顔から地面に向かって転がった。
しまった、と思ったときには遅く、離すことを忘れた三之助も一緒に道ずれにして自分のうえに倒れこんできた。
「…ぐっ!」
上からの重圧の苦しさに呻けば、慌てて三之助が立ち上がり作兵衛を気遣って助け起こす。
顔から地面に向かって転んだ割には大した怪我もなく、ほっと安堵の息をついて、ぎょっとした。
ボロボロと、作兵衛の両目から大粒の涙が頬を伝って、地面に吸い込まれていた。
「さ、さく、べ!!ごめん、痛かった!?思いっきり作兵衛の上に倒れたから!」
それにふるふると頭を振るが、頬を伝う涙はそれでも止め処なく流れていて。
「ごめん、痛かったよな!?重いから俺…作、大丈夫?」
「ちが、おまえのせ、じゃ、なく…」
一度堰を切ってしまえばあとは溢れることしか知らず。
しゃくり上げながら紡がれる言葉に、三之助は胸がぎゅっと押し潰されそうだった。
「ごめ…て、はなし…そこね…おま、まで…」
「え?あ、いいよそれは全然…作兵衛の上に倒れたから、怪我とかしてないし…それより」
「ごめ…ごめ…なさ…うえぇ…ごめ…さなぁ…」
ついには嗚咽を上げて泣いてしまう作兵衛に、どうしたもんかと頭を掻く。
よく見れば、その手はボロボロに汚れていて、そんな手で目を擦ってしまえば作兵衛の綺麗な目が傷ついてしまうのに、と止めさせようと手を取れば、逆にその手を掴まれ顔を埋められてしまった。
「さ、く…」
すり、と頬を寄せられ、それから掌に感じる作兵衛の体温に、三之助の鼓動が一瞬跳ね上がった。
ひくりひくりと揺れる肩と手に感じる水滴で暫く止まりそうにないなと溜息を吐くと、空いている一方の手を作兵衛の肩に回し、足を使って作兵衛の身体を横向きに抱きかかえた。
何が起こったか分からず泣き腫らした顔を上げて相手の顔を見ると、にこりと微笑まれてしまう。
「さんの、すけ?」
「ごめん、手ぇ返して」
すっと抜き取った腕を今度は膝裏に回し、勢いをつけて起き上がった。
「作、俺ずっと作に手引かれて歩いてたから今どこにいるかわかんねえんだけど、学園どっちか分かる?」
言えば、きょろりと辺りを見回し、人差し指がすっと一点を差した。
それに「分かった」と頷いてから、肩に宛がった手を器用に使って、自分の頭に巻いている頭巾を取り外し、作兵衛のお腹の上に落とす。
「?」
「俺の手の代わりな。それで顔、拭くといいよ」
そう言ってにかっと微笑まれて。
一瞬目を見開いて、作兵衛は自分の上に置かれた頭巾をぎゅっと握り締めて、今日何度目かの涙を、ほろほろと流し始めた。
「あり…がと…」
俯いて呟かれる言葉に「どう致しまして」と答えてから、三之助は勢いよく、飛んだ。
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